それでも彼女たちは輝き続けた ~夢にかけるRainbow考察~

はじめに

プロデューサーの皆様こんにちは。Act-3が終わり、10thツアーもいよいよAct-4を残すのみとなりました。千秋楽の2日目公演はなんと39人全員の参戦が決定しており、発表された時の現地の地鳴りのような歓声は今でも鮮明に記憶に残っています。

 

さて、そんな10thライブツアーAct-4の前にミリオンライブの歴史を語るうえで決して避けることができない1曲の全体曲の話をしたいと思います。その曲こそが「夢にかけるRainbow」です。

ミリオンライブの全体曲を一通りお聴きになった方ならお気づきかもしれませんが、この曲は他の周年楽曲とは違い

  • 全体曲としては初めて英数字や記号以外の文字が入った
  • 全体曲としては異例の唄い出しがソロ

という特徴を持っています。そんなミリオンライブ全体曲の中で異質な存在であるこの曲が私たちにどのような事を伝えたかったのか、Act-4目前の今だからこそ改めて考えていきたいと思います。

アイドルの顔に笑みは見られない、とても異様なイラスト

私色の「輝き」

突然ですがあなたにとって「輝き」とは何ですか?

趣味に没頭することでしょうか?それともお仕事を頑張ることでしょうか?

5周年イベント「私たちのR@inbow!」では各アイドルにこのような質問をしていましたね。

アイドルの場合はどうでしょう。アイドルは自身のどこに輝きを見出すでしょうか?

答えは簡単。アイドルたちにとっての「輝き」はステージの上にあります。

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MVを見ても分かる通り、彼女たちはステージに上がることによってはじめて輝きを放っているわけです。そのステージの上にはプリズムがあり、それがステージの光に照らされて虹になっていくというステージ構造になっています。

 

Flyers!!!にも同じような歌詞がありますよね

スポットライトを浴びて 目覚めるとき

さなぎが蝶になるように 私は私になる

 

ステージに上がることで初めて輝きを放つ彼女たちは、ステージで自分色に輝く。その自分色が集まってできた虹こそがミリオンスターズそのものなんじゃないかと私は考えています。

 

アイドルになるという夢を叶えるために夢に「懸ける」最上静香。

家族を楽にしてあげたい。その思いでアイドルという夢に「賭ける北沢志保

自身のアートを通してファンへ夢に「描ける」ロコ。

やりたい事がやっと見つかり、着実に夢に「駆ける」春日未来。

そうした色々な想いが「掛け」合わさって夢に虹を「架ける」わけなんですね。

 

ひたむきに 挑む日々

唇噛み締めた(Don't give up)

夕焼けに 滲む瞳に

映るプリズム

雨が降った後に光に照らされ虹が架かるように、彼女たちはステージに上がるまでに雨のような幾多の困難と厳しい練習に耐え、流した涙がようやくステージの光を浴びて虹になった。その隣にはプリズム(輝くライバル=MV中のエミリー)がいました。

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その前の歌詞の「胸の中熱くした憧れやトキメキ」として星井美希がMVの中で出ています。それもそのはず、765プロオールスターズは自分自身の輝きを見つけた先輩でもあります。

 

ちなみにですが、アニマス1話で「あなたにとってアイドルとは?」と聞かれた天海春香は「アイドルは夢」と答えています。そんな春香率いる765プロオールスターズが向かった場所はどこでしょうか?

輝きの向こう側」ですよね。

 

👇再生すると当該シーンが流れます

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自分自身の輝きを""最高傑作""のステージを通して知った彼女たちは輝きのその向こう側を目指していきます。そうしてその輝きを追い求めて春日未来たちミリオンスターズもまたステージの上で輝きを放っているんですよね。

 

その映画のエンディングとして歌われているのが""虹""色ミラクルなんですからもう運命感じちゃいます

私だけの矜持<プライド>を胸に

さて、今回の衣装である「プラウド・オブ・ステージ」ですが、皆さんがパッと見てまず受ける印象は「重苦しい」や「地味で華やかさに欠ける」といったものだと思います。

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確かに、過去の周年衣装の「ルミエール・パピヨン」などは特にカラフルでミリシタの周年を彩るにふさわしい衣装だったと思います。

だからこそ、この「プラウド・オブ・ステージ」がどうしても異様に映りますよね。

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実際に今回の衣装で基調とされているグレーは、色彩心理学では不安やあいまいや迷い、主張が少ない色として扱われています。

なぜそんなネガティブなイメージが多いグレーをわざわざ使っているのでしょうか?

それは「」をより強調するためだと考えられます。

 

「個」についての説明をする前にぜひこちらの映像をご覧ください。

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この映像はミリシタ5周年を記念して作られた映像です。この映像に「個」について気になるワードがいくつか出てきましたね。

劇場で輝くのは「私たち」じゃない。

そこにいるのは「私」たち。

いやちょっと待ってください。ミリシタ一周年「UNION!!」で「私たちは団結(ひとつ)の輝き」と言っていたり、「Flyers!!!」なんかは複数形使ってるし、「Glow Map」や「Harmony 4 You」でも「みんな」という単語が必ず出てきていますよね。それが今更仲間割れでも起こしたのでしょうか?

 

いえ、違います。先ほどのタイトルの話でも述べた通り、虹というのは個々の輝きが集まってできるものです。逆に言うと、自身の輝きというのをはっきりと持たない集団はただの単色の集まりでしょう。

私色に輝き、

私の空を目指して、

私の道を進んでいく。

私だけの矜持〈プライド〉を胸に。

私色に輝くにはステージへの強い憧れや矜持(プライド)が必要です。

Proud of Stage (ステージを誇りに思う)というのは、アイドルをアイドルたらしめるためのある種の教訓のようなものなんですね。

そのプライドが無い状態こそ、私色を失っている状態(=グレー)であり、そのステージの中心(衣装の中心)に私色の輝き(=担当カラーの宝石)を放っているという考察ができると思います。

 

そんな彼女たちの中に「顔のない群れ」にrealを歪められたり、「これが私」だと心から叫ぶユニットがありますね?

そう、SHADE OF SPADEです。

彼女たちがスペシャルムービー内で着用している衣装も「プラウド・オブ・ステージ」ですよね。

彼女たちが活動を行ったのが西エリアというのも関西人は我が強いという理由があるんですかね?(とか言ったら怒られそう)

彼女たちは死を以て生を制すユニットであり、アイドルにとって死ぬこととは個性を失う事(顔のない群れに成り下がる)であり、それがグレーという色そのものなのです。

「ESPADA」の歌詞にも

Trump card of fate, It is my faith

(運命の切り札、それは私の運命)

とありますが、このmy faith(私の信念)はmy face(私の顔)と掛詞になっており、いかに個性を持つことがアイドルにとって重要かというのがひしひしと伝わってきます。(ESPADAについてはまたいつか詳しく自分なりの解釈をまとめたいと思ってます。)

 

私のストーリー

主役はただ一人

駆け上がる スターダム

叶えたい きっと

上の説明を踏まえたうえでサビのこの歌詞を見ていただくと、いかに彼女たちが個人としての輝きを大切にしているのかが分かります。

"タラ" "レバ"じゃ 探せない

私のフロンティア

こちらの歌詞も、プライドを持つという事に関して過去の自分に囚われる必要は無い。自分自身の輝きを探すためには常に前に進み続けろ。というような人生の教訓にもできそうな素晴らしい歌詞だと思います。

 

憧れの極致

ここまでいかに「個」を大切にすることで良い集団を成すことができるかについて語ってきましたが、実は集団を大切にすることも私色の輝きを放つために必要だ。という隠されたメッセージがこの衣装の中には隠れています。

 

まず、こちらの衣装をご覧ください。

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この衣装は「プラウド・オブ・サミット」といい、プラウド・オブ・ステージのアナザー衣装です。

では「サミット」とはどういう意味なのか。グレーではなく深緑が基調とされているのはなぜなのかという所に関してですが

「サミット」と聞くとG8のような各国首脳が集まって会議をするようなものを大半の人が思い浮かべると思いますが、その語源はsummit(山の頂上、極致)から成っています。だとしたらProud of summit は「誇りの極致」的なニュアンスになるわけですね。

 

では、「誇りの極致」とはなんぞやという話になってくるのですが、そこで先ほどの深緑が出てきます。

そこでまた色彩心理学の話になってくるのですが、緑から連想されるものと言えば植物です。その植物は群生といって一本一本の木が群れを成して森を形成していますよね。つまり緑というのは仲間そのものを表しているのです。

 

プラウド・オブ・サミットが顔のない群れの中でステージの中心で輝く私をイメージしているのに対し、プラウド・オブ・サミットは仲間の中で輝く私というのをイメージしているのではないでしょうか。

 

個人個人が大切と言っておきながら、結局は「仲間こそが誇りの極致だ」なんて言えるところが本当にミリオンライブらしくて大好きなんですよね。

最後に

ここまで私の勝手な解釈に付き合っていただきありがとうございました。

歌詞についてはあまり深堀り出来ていないので9thの1周年の時にでもまた考察を書きたいなと思っています。

また、9thについて知ってる人はしつこいようで申し訳ないんですが、私はこの曲に並々ならぬ思いを抱いています。というのも、参加する予定だった9thライブがコロナで参加できず、9thライブの表題曲でもあったこの曲は1つのトラウマみたいな存在になってしまっていました。

本当に周年曲でも1番好きな曲だったので、聴くたびにあの辛い記憶が呼び起こされて平常心を保っていられず、あの頃のように何事もなく聴けないのは本当に辛いです。

だからこそ、難しいとは思いますがAct-4では9thぶりの披露、そして私自身が9thの呪縛から解き放たれることに期待したいと思っています。

また、Act-3の話ですがミリオンスターズはライブの最後にM@STERPIECEを歌っていましたね。つまり、10周年と言う節目を迎え、先輩と肩を並べた事によってようやく「輝きの向こう側へ」向かっていける状態になったと言えると思います。そんな彼女たち39人が織りなすAct-4はきっと素晴らしいステージであることは間違い無いでしょう。

ミリシタ5周年✋から次のステージ👈(グッドサイン)へ.....

 

ミリオンスターズは今日もステージに上がり続ける。彼女たちの矜持〈プライド〉を胸に.....